金井 聰和
Kanai Toshikazu

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Works
作品

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Statement
作品について

身のまわりには目に見えない無数の「庭」があるような気がしている。「見えない庭」は視点を変えたり、モノを置いたりよけたりすることで少しずつ姿を現す、というのは思い込みかもしれないが、制作を続ける中で徐々に培われた意識や感覚のようにも思う。モノと空間があるバランスに達した時、そこに開かれた場としての「庭」が生まれるということなのか。あるいはもしかしたら、そこには物語性や歴史性などの要素が密接に関わっているのではないか、というようなことを考えながらモノを作っている。

制作には主に陶・やきものを用いているが、この素材は私にとっては「庭」と深く関わっている。やきものを始めた当初、土の壁がゆっくりと空間を内包する様に魅了され、そこから空間の内と外の関係とその意識について考え始めた。その時、「うつわ」の内部空間が反転したものが「庭」なのではないか、とふと思いついたことがきっかけとなり現在の作品につながる制作が始まっている。

以来、様々な「庭」を見つけきた。「庭」の持つ重層的多面的なありようを知るにつれ、更に「見えない庭」への興味は尽きない。